- 京都に移住を決めたのは、実はそれほど深い理由があったわけではありません。ただ、もともと絶景をめぐり始めたのは、歴史、特に古代史が好きだったから。歴史的な建造物や、遺跡の中にあるロマンに惹かれていました。だから移り住むなら、歴史が感じられる場所がいいなとは考えていました。
- 京都に住んでみて強く感じるのは、街自体が昔からの伝統や文化を大事に守り続けていること。1月が明けたらゑびす祭りに行って、2月になれば節分祭に行って……。人々の暮らしや、考えの中に、伝統というものが自然に息づいている。地元の人たちにとっては習慣かもしれませんが、外から来た私にとってはとても新鮮で、歴史好きも手伝って、由来や背景をつい調べたくなります。
- 昨年も今年も、楽しみにしていた桜はあまり満足に見ることができていないのですが、人の少ない時期だからこそ、街の中にある歴史の積み重ねや、そこにある人々の生活が、より強く感じられるように思います。
- また、京都の旅というと、見るべきところが多すぎて市内だけで終わってしまいがちなのですが、少し離れた緑豊かな場所や海、意外と近い琵琶湖など、自然を感じる場所を訪れられるようになったのも良かったことのひとつ。まだまだ京都の魅力を語るほど歩き回れてはいないのですが、移住しても仕事は問題なくできるとわかったので(笑)、もっと京都の奥深さを掘り下げていきたいですね。
嵯峨野の竹林
天皇や宮人の行楽地だったと伝えられる嵯峨野。「実際に訪れると、こんなにアクセスがいいところにこんな幻想的な場所が!と驚きます。天龍寺など有名な寺院も多いエリアですが、ただひたすらに小道を散策するだけでも気持ちいいですね。早朝がとても静かでおすすめです」(詩歩さん)
五重の塔を望む祇園法観寺周辺。聖徳太子が建立したという歴史的建造物と、人々の生活が共存している、まさに京都らしい風景。
平安の世から人々の安らぎの場所であったという瑠璃光院。新緑と紅葉の時季は特に美しく、フォトスポットとしても有名。磨きぬかれた机に映る光も美しい。
春と秋の夜に青い光でライトアップされる青蓮院門跡(今春の夜間拝観は中止)。御本尊である熾盛光如来は光そのものであり、その化身である不動明王も炎の光を背負っている。
ミシュランガイドでも日本のトップ観光地として評価されている伏見稲荷大社。無数の赤い鳥居が連なった「千本鳥居」は、日の光が射し込む姿が美しい。
SHIHO
- 1990年生まれ。静岡県出身。世界中の絶景を紹介するFacebookページ「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」を運営し、70万以上のいいね! を獲得し話題に。 書籍『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』の出版をはじめ、 “絶景”ブームを牽引する存在。旅行商品のプロデュースや自治体などの地域振興アドバイザーなども務める。
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