名古屋で出合った新旧職人の技と心意気②
- 今宵の宿、名古屋東急ホテルはにぎわいの中心、栄にある。荷を解いた後、華やぎに誘われて、名古屋名物でも食べ歩こうかと街へ出た。遅くなってもホテルは近い。帰りの心配はなく、気持ちのいい部屋と翌朝はヘルシーな「なだ万」の和朝食が待っている。
- ということで、まず選んだ名物は名古屋コーチン。まだ知名度が低かった1971年からこの鶏ひと筋という「鳥銀」へ。
コクのある名古屋コーチンの味に舌鼓
日本三大地鶏に数えられる名古屋コーチン。鳥銀は創業からいままで一貫してその味を追求してきた店。串焼きももちろんおいしいが、甘みの少ない割下で山のように刻み葱を載せて煮る「鉄鳥」や、昔名古屋駅で駅弁として売っていた「出世釜」(鶏釜飯)はここならでは。
東新町 鳥銀
-
名古屋市中区栄4-8-20
TEL:052-251-3681
torigin.net
※Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。
- 串焼きや鍋を楽しんで、さらにもう一軒、「島正」という店に足を運んだ。
- ――いやはや、兜を脱ぎました!
- 島正のどて焼き、つまり名古屋風味噌おでんは、中までしっかり味が染み込んでいるのにまったく煮崩れがなく、大根などは曲尺を当てたように切り口にぴしっ! と角が立った見事な出来栄え。味も見た目ほど濃くなく、実においしい。冷めるときに味が染み込むことを利用して、味加減しつつ1日1回火を入れ、大根はなんと7日がかりで仕上げるという。
- 「ただ毎日手を抜かずに続けるだけ。でもそれが難しいんです」
- はからずも出合った職人魂。旅の醍醐味は、こんなところにもある。
島田正吾氏が愛した名店
昭和24年、広小路通りの屋台からスタートした店。当初は「きむらや」という屋号だったが、新国劇の島田正吾氏がひいきにして、自身の名前が入ったのれんを贈ったことからお客さんが「島正」と呼ぶようになったという。味噌おでんの味噌はまるやの八丁味噌。手間と時間をかけたおでんだけでなく、串カツやどてめし、焼き鳥などもあり、どれも美味だ。
どて焼き 島正
-
名古屋市中区栄2-1-19
TEL:052-231-5977
shimasho.biz
※Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。
和の朝食で1日をスタート
手をかけてつくった和食でスタートする朝は、気分がいいもの。全体に薄味だが、しっかりとった出汁を使っているので、青菜の煮びたし、煮しめ、切り干し大根煮など、日によって内容が変わる小鉢はシンプルながら味わい深い。一品一品は適量で、品数が多くボリュームも十分。
日本料理 「なだ万」
-
名古屋東急ホテル 2F
TEL:052-241-3551
www.nadaman.co.jp/restaurant/nagoya
※Webサイトで最新情報をご確認の上、お出かけください。