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2024.08.23
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映画に“出逢う”ための映画館「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」

動画のオンライン配信が主流となる中で、映画館に足を運びたいと思う理由は何だろうか。好きな映画監督や俳優をスクリーンで観るため、非日常の時間を楽しむため、誰かと喜びや感動を分かち合うため。人それぞれ理由は違えど、きっと多くの人が“映画体験”を楽しむために映画館を訪れる。

今回は渋谷で、特別な映画体験をさせてくれる「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」をご紹介。映画を愛するすべての人に開かれ、感動のひとときを提供してくれる映画館のこだわりと魅力とは?

映画を観終えた後は、バーで語らうひとときを。同じ渋谷にあるライフスタイルホテルも併せてご紹介します。
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  • Mei Hiramatsu
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映画への期待、余韻を余すことなく楽しむ空間

  • 2023年4月より長期休館に入り、同年6月に旧渋谷TOEI跡地にオープンした「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」。

    休業中の「Bunkamuraル・シネマ」の歴史ある雰囲気をくみつつも、新たな挑戦を感じられるモダンな映画館として多くの人々を迎え入れている。
  • エレベーターの扉が開くとまず目に入るのは、「Bunkamura LE CINÉMA」の電飾と、上映中作品のポスターの数々。明るさを抑えたロビーは、渋谷の中心にいるのを思わず忘れてしまう落ち着いた空間で、映画体験への期待を高めてくれるだろう。
  • 足を進めていくと、床や壁面、ソファやテーブルの統一感に気付く。ロビー全体に展開されているのは、レッドカーペットならぬ“シャドウ”カーペット。

    映画の光をもっとも際立たせる「影色」のカーペットの主役が、映画館を訪れた人々であるようにという想いが込められているそうで、細部までこだわりを感じられる。
  • ロビーの「LIBRAIRIE」コーナーには、アートショップNADiffのキュレーションによるブックストアも併設。書籍のラインアップは映画作品や時期に合わせて入れ替わり、映画鑑賞の前後にも新たなカルチャーとの出逢いを提供してくれる。
  • 7Fは268席、9Fは187席と広々したキャパシティのスクリーン。7Fのスクリーンには4Kと35ミリの上映設備が整えられ、旧作品の上映も増えているのだそう。
  • 各階ロビーにオープンしているのは、Bunkamuraの休館に伴い一時営業を終了したカフェ「ドゥ マゴ パリ」のスタンドカフェ。

    映画鑑賞時に食べやすいようプチサイズにリニューアルされた名物の「タルトタタン」や、「ドゥ マゴオリジナルブレンド」のホットコーヒー、上映作品をイメージしたコラボメニューなど、映画体験をさらに特別にしてくれるメニューが用意されている。

    映画館ではなかなか見かけないキッシュや「ドゥ マゴ パリ」のプチスイーツなどが展開されているのも嬉しい。
  • 劇場のロビースタッフが着用する制服は、ファッションブランド「ZUCCa」の設立者小野塚秋良氏が、株式会社白洋社(現株式会社セブンユニフォーム)と共同でスタートさせたユニフォームブランド「HAKUÏ」のコート。
  • 複合文化施設「Bunkamura」の中にあったときは、映画祭で話題になった作品や、美術、音楽、舞踊などほかのホールと連動する作品を多く上映していた「ル・シネマ」。

    「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」は初めて複合施設を飛び出して映画館だけになり、閑静なエリアから駅前のにぎやかな場所へと移動した。そのため、今までの流れを汲みつつも、イメージに囚われないさまざまな作品を編成し、新しいチャレンジをしているという。

    「劇場に足を運んでいただいて、チラシラックを眺めながらどのような作品を上映しているのかチェックしたり、カフェのスイーツを購入していただいたりするだけでも大歓迎です。お気軽にお立ち寄りください」

    観る時期や年齢、経験や環境によって同じ作品でも違ったように観られたり、誰かと劇場や作品の空気感を楽しめたりするのが映画と映画館の魅力。

    作品鑑賞の枠を越えて、新たな作品や感情との出逢い、特別な“映画体験”を提供してくれる「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」で思い出を作ってみては?

Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下

  • 住所:東京都渋谷区渋谷1-24-12 渋谷東映プラザ 7F&9F(1F:チケットカウンター)
    TEL:050-6875-5280
    bunkamura.co.jp/cinema_miyashita/
    ※Webサイトをご確認の上、お出かけください。

巨匠フレデリック・ワイズマン監督の最高傑作
『至福のレストラン/三つ星トロワグロ』

  • © 2023 3 Star LLC. All rights reserved.
  • 2024年8月23日(金)より「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」で公開中の『至福のレストラン/三つ星トロワグロ』。

    アカデミー賞®︎名誉受賞しているドキュメンタリーの巨匠、フレデリック・ワイズマン監督による本作品は、ワイズマン監督が実際に訪れて魅了された三つ星レストラン「トロワグロ」に迫った“極上のレストラン体験”ができる映像作品だ。

    フランス・パリから列車と車で4時間の自然豊かな村ウーシュにある「トロワグロ」は、世界の美食家が一度は訪れたいと夢見る最高峰の三つ星レストラン。買い出しから農園、チーズ工場やワイナリーなどでの生産者との交流、開店前の準備から厨房の様子など、ふだんは知ることのできない一流レストランの裏側が映し出されていく。

    料理やレストラン以外にも丁寧にフォーカスが向けられた本作品は、映像を通して五感が刺激され、まるで旅をしている気分にさせられる。日常の喧騒を忘れて、劇場で至福の時間を過ごしていただきたい。

『至福のレストラン/三つ星トロワグロ』

  • 映画『至福のレストラン/三つ星トロワグロ』は2024年8月23日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開

    第58回全米映画批評家協会賞 ノンフィクション映画賞 受賞
    第89回ニューヨーク映画批評家協会賞 ノンフィクション映画賞受賞
    第49回ロサンゼルス映画批評家協会賞 ドキュメンタリー映画賞受賞 他

    監督・製作・編集:フレデリック・ワイズマン『パリ・オペラ座のすべて』『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』
    出演:ミッシェル・トロワグロ、セザール・トロワグロ、レオ・トロワグロ、マリー=ピエール・トロワグロ、トロワグロで働くスタッフほか
    原題:MENUS-PLAISIRS LES TROISGROS/2023年/240分/ビスタ/モノラル/仏語・英語/アメリカ/日本語字幕:丸山垂穂/配給・宣伝:セテラ・インターナショナル/宣伝協力:テレザ
    セテラ・インターナショナル創立35周年記念作品

    公式サイト:www.shifuku-troisgros.com
    公式X:https://twitter.com/troisgros_movie

映画を観終えた後は、バーで語らうひとときを

  • 映画を鑑賞した後は、ひとりで余韻に浸ったり、誰かと語り合ったりしたいもの。

    今回は「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」から徒歩9分ほどの場所にあるSHIBUYA STREAM HOTEL Bar & Dining「TORRENT」のバーに立ち寄った。
  • ここは、駅直結ながら広々とした空間が特徴的なオープンスペースのバー。

    音と光と映像にこだわったヴィンテージモダンな店内は、上質ながらどこか落ち着く雰囲気。毎週木曜日と金曜日はDJイベントが行われており、音と光に癒されながらお酒が楽しめる。

    「家に帰るようなイメージで、ゆっくりくつろぎながらお酒やお食事を楽しんでいただければと思います。スタンディングも可能なので、ぜひ気軽に立ち寄ってください」
  • 壁面には渋谷ストリームビルの建築コンセプトスケッチが飾られている。
  • くつろげるソファは25席、カジュアルに立ち寄れるカウンター席やスタンディングも含めると、約50名ほどは収容可能だそう。
  • ドリンクメニューは季節限定のメニューが数種類、スタンダードなカクテルは40〜50種類ほどで、リクエストがある場合は好みのカクテルも作ってくれるという。

    フードもチョコレートやサラミなどの軽食に加え、目の前のダイニングから提供されるピッツァやペンネ、ソーセージなど上質な食事まで楽しめるのが嬉しいポイントだ。
  • 今回は映画『至福のレストラン/三つ星トロワグロ』を鑑賞した後に飲みたいカクテル、2種類をオーダー。
  • モヒート(左)¥1450/X.Y.Z(右)¥1300
  • アーネスト・ヘミングウェイが愛したことでも有名なモヒートは、ミントとライムが香るさわやかな一杯。同じくラムベースでコアントローとレモンジュースが入った「X.Y.Z」は「これ以上ない最高のカクテル」といわれるショートカクテル。

    映画の余韻に浸りながらいただくカクテルは、まさに至福の時間を提供してくれるだろう。

SHIBUYA STREAM HOTEL
Bar & Dining「TORRENT」(BAR)

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