神戸の光を探して。うん、スマホもいい感じ!
- 夜がまだ明けないうちに、ホテルを出た。
- 歩いてすぐの南京町。雨上がり。濡れたアスファルトが光を反射させて美しい。賑やかなまちの、まだ人影の少ない時間。スマホで撮ってみた。湿度の高い酸素をいっぱいに吸い込む。
- 新幹線で2時間半の異国から来た私はひとり、元町を歩く。建物の一つひとつが語りかけてくる物語。
- BGMにはスティングの『イングリッシュマン・イン・ニューヨーク』がいい。
(スマホで撮影)神戸元町東急REIホテルのすぐ隣、長安門から南京東路を進むと、直径約3メートルの六角堂がある南京町広場。昼は多くの人で賑わう広場も、早朝はひっそり。
- ネオルネッサンス様式で建てられた「大丸 神戸店」のアーチ型の回廊に出逢う。竣工は1997年。震災後なのに、このまちの美しさを損なわず、大切に守ろうという気概が伝わってくる。朝もいいけれど、宵もきっときれいだろう。
- あとでまた来ようか。
大丸 神戸店の美しいアーチ型回廊。
- 「海を見たくないか」と、すっかり晴れた青空が誘ってくるようだ。
- メリケンパークを海に向かって進むと、雨の名残に映る雲に気づく。旅にはいつも、そのときだけの決定的瞬間がある。
メリケンパークは明治時代のメリケン波止場と大正時代の中突堤の間を埋め立ててできた広々とした臨海公園。
- 軽めの昼食をとった後、神戸キュイジーヌのTOOTH TOOTH maison 15thを訪れる。神戸に残るもっとも古い異人館・旧居留地十五番館は、神戸異人館の特徴そのもの、クラシカルなコロニアルスタイル。震災を乗り越えて再建され、美しく保たれた空間。いただいたアフタヌーンティーは、味も美しさも格別。
浪花町の旧神戸居留地十五番館は、国の重要文化財指定。いまはTOOTH TOOTH maison 15thとして、神戸キュイジーヌを楽しめるレストラン。季節ごとに色合いを変えるアフタヌーンティーも評判。
- 旅先でさまざまな光を見つけるのは楽しい。夕暮れは、自然がつくる光と人間がつくった光が入り混じる。ハーバーランドにある神戸煉瓦倉庫で、その「とき」を待った。
- よし、いま! スマホもいい!
- 赤煉瓦がいい色だ。
- 二棟の煉瓦倉庫は、19世紀末に貨物倉庫としてつくられた。
- その煉瓦倉庫内、文具のNAGASAWAを覗く。きれいなインクの瓶が並べられている。いったい何種あるのだろう。
(スマホで撮影) (スマホで撮影)神戸煉瓦倉庫とその中にあるNAGASAWA神戸煉瓦倉庫店。色彩豊かな神戸の景色をテーマに開発されたオリジナル製品「Kobe INK物語」は、「六甲グリーン」や「波止場ブルー」と名付けられた美しいインク。
- そろそろと、夜の帳がおりて、旅のゴールが近づく。
- 神戸大橋は15㎞ほど歩いたこの日の最後の1箇所だ。いかにも昭和デザインのダブルデッキアーチ。赤い橋梁がライトアップされるとくっきりと浮かぶ。
本州側からポートアイランドにかかる神戸大橋。両側に歩道が付き、橋上から港まちを楽しめる。1970年開通。
- そろそろホテルに帰ったら?
- 三日月が語りかけてきた。明日の帰京前にもう少し歩こう。
- そうだ、ホテルのロビーにミュージックライブラリーがあったな。
- 神戸元町に似合うもう1曲を探してみようか。
神戸元町東急REIホテル
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住所:兵庫県神戸市中央区栄町通1-2-35
TEL:078-327-0109
アクセス:JR・阪神「元町駅」から徒歩3分/地下鉄海岸線「旧居留地・大丸前駅」1番出口から徒歩1分/JR「三ノ宮駅」 ・地下鉄「三宮駅」から徒歩15分 ・阪急「神戸三宮駅」西口から徒歩10分/神戸空港より車で約20分/阪神高速3号神戸線<京橋ランプ>から約5分
tokyuhotels.co.jp/kobemotomachi-r/
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photographs & text by Mirei SAKAKI
- さかき・みれい
1983年北海道生まれ。2013年に写真家として独立。Pen、ELLE japon などの雑誌で活動中。その他広告・動画撮影、ドローン 撮影も手がける。最近はデッサンをスタートした。(撮影:赤石 仁)