TRAVEL

2019.05.17
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DEEP TRADITION, COLORFUL INNOVATION "KYOTO"
東寺が誇る寺宝に、あらためて触れる幸せ

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  • Akira Uemura
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  • Hiromichi Kataoka
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  • 翌日、早朝。
  • ホテルから西本願寺の前を通って、大黒町から大宮通を南へ、南へ。九条町を目指す約2キロ半は、朝の散歩の距離としてはちょうどいい。
  • 真言宗総本山・東寺(教王護国寺)の南西角に立つ。日の出は午前7時前後だから、もうすぐだ。
  • 空が白々と明け、深く青い空に国宝・五重塔が闇から浮かんできた。寛永21年(1644)、徳川家光の寄進によって竣工された5代目は、現存する日本古塔のなかで最高の高さ約55メートルを誇る。
  • 風は止んでいる。鏡のようなお堀の水に映る〝ザ・京都〞のシルエット。これを見に来たのだと胸が躍る。
  • 脇を地元らしき人が通り過ぎる。こうした景色が日常の人生…かな?生き方や価値観に、違いが出るのは当然な気がする。

  • 朝食後、あらためて現在唯一残る平安京の遺構を訪ねた。桓武天皇による創建からおよそ1200年を数える東寺は、寺宝として、五重塔をはじめ国宝25件81点、重要文化財55件2万3740点を持つ。
  • 御影堂をお参りした後、通年で公開している国宝の金堂(本堂)、重文の講堂内部へ入る。
  • 金堂、薬師三尊・十二神将も凄まじい迫力だが、室町時代に完成した講堂に安置されている、重文・大日如来を中心とする、国宝16躯、重文5躯の立体曼荼羅(まんだら)には言葉を失った。
  • 密教美術の宝庫、東寺・講堂 立体曼荼羅
    講堂は、天長2年(825)に建てられたが、現在のものは延徳3年(1491)に再建されたもの。純和様。堂内の壇上に安置されているのは、弘法大師の密教の教えを表現した立体曼荼羅。大日如来を中心とした「如来部(五智如来=重文5躯)」を中心に、右に「菩薩部(五大菩薩=国宝5躯)」左に「明王部(五大明王=国宝5躯)」、さらにその外側四隅に四天王、梵天、帝釈天(いずれも国宝)が並ぶ。密教彫刻の宝物だ。

  • 迫り来る圧倒的な21の力。だがどの仏像にも不思議な優しさがある。
  • ふと見ると、静かな会話を試みている参拝客がいる。仏像を見上げている人、頭を垂れている人、じっと手を合わせている人...。この仏像たちをつくりあげた人間の偉大さと、その前で感じる自分のちっぽけさや無力感。
  • 大人になってあらためて体験できる感動が、京都の旅にはたしかにある。
  • 「旅に疲れたとき、ホテルの部屋では、このお茶で...」
  • 夕食前、昨日「祇園辻利」の店長がすすめてくれた煎茶の封を切った。少し冷ましたお湯を差し、待つこと1分半。ティーバッグとはいえやはり本格。甘さと芳香、後味もすっきりだ。
  • 「ほっ」と思わず声が出た。一息ついたところで、今宵は熟成神戸ビーフが話題の鉄板焼き、木屋町の「プレミアム 听(ポンド)」へ。

真言宗総本山。唯一残る平安京の遺構
東寺(教王護国寺)

  • 正式名称「教王護国寺」。平安京の遷都とともに、桓武天皇によって、国家鎮護のために建立された官寺(国立寺院)。弘仁14年(823)に弘法大師空海に下賜され、日本で初めての密教寺院となった。建てられてから370年以上も経つ五重塔は京都のシンボル的な存在。その構造は、東京スカイツリー設計の際の免震構造の参考となったほど。美しい庭園と国宝の五重塔、平安初期の仏像群は必見。
    住所:京都市南区九条町1
    TEL:075-691-3325
    http://toji.or.jp/

京都発・熟成肉のステーキハウス
プレミアム 听(ポンド)三条木屋町店

  • 熟成肉専門店。いまでこそ熟成肉は人気だが、听は日本ではほとんど普及していなかった5年前にスタート。ここ「プレミアム 听 三条木屋町店」では、契約牧場との直接取引で稀少価値の高い黒毛和牛はもちろん、世界中から認められる神戸ビーフ(丸ごと1頭買い)を熟成し、鉄板焼きで食べさせてくれる。きめ細かく上品な甘みの赤身に絶妙に入り込んだサシの神戸ビーフは、熟成によってさらに香ばしく、旨さがまろやかに濃くなり、量を食べても翌日に残らないほどあっさりといただける。「熟成は進化」と納得。豪快で繊細な技を楽しめるカウンター席で。
    住所:京都市中京区恵比須町424-1
    TEL:075-708-3729
    http://www.ts-corp.co.jp/shop/pp-sanjokiyamachi/

  • ※この記事は「COMFORTS」2017年2・3月号の転載です。

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