共通の理念をもつ東急ホテルズと想いを重ねて
- 関芳実さんと菊原美里さんの起業のきっかけは、大学3年次に参加した学生ボランティア。訪れた高齢者施設で利用者にカレンダーが配られ、喜ぶ姿を目にした時のこと。「カレンダーは企業がお客様へ配布したものの残りや、いただいたもので、廃棄予定になっていたそう。誰かが“廃棄するモノ”は、他の誰かにとっては“欲しいモノ”かもしれない。廃棄削減と有効活用を目指し、モノを循環させる仕組みをつくりたいと考えました」と菊原さんは話します。
- このアイデアを元に事業計画を立て、ビジネスコンテストに出場。「よこはまアイデアチャレンジ2020」最優秀賞をはじめ、数々の賞を獲得することに。事業化を決意したふたりは大学に休学届を提出。2021年4月1日に株式会社StockBaseを設立しました。
(左)菊原 美里 株式会社StockBase取締役/(右)関 芳実 株式会社StockBase代表取締役 - 現在、StockBaseが主軸としている事業は災害備蓄食の有効活用。通常、企業は災害時を想定して従業員の3日間分の食料を備えることを目標にしていますが、災害備蓄食には賞味期限があり、廃棄されることも。しかも廃棄処分には相当の費用がかかるといいます。「処分費用をマッチング手数料に充て、捨てられる備蓄食を、必要とする人や施設に届けることができれば、相互利益の関係が築けるはず」と関さん。
- 2022年には東急ホテルズとパートナーシップを締結。ホテルに備蓄されていたビスケットやカンパン、アルファ米が、子育て世帯を支援する団体などへ届けられました。
- 「東急ホテルズは、客室のアメニティの使用量を削減し、基金を森づくり活動へ寄付するなど、環境への配慮に高い意識をもっています。私たちが掲げる“モノと想いを循環させて、豊かさを分かち合える社会を作る”という理念と親和性が高いと感じました」(菊原さん)
提供された品は、受け取り登録団体向けサイト「Stockパントリー」にて公開。マッチングした団体に配送します。提供者には受け渡し現場の様子など報告レポートを提出。 - 創業1周年のお祝いには、横浜ベイホテル東急にてささやかな食事会を開催したというふたり。「お気に入りのホテルと力を合わせて、素敵な未来のために活動を続けていきます」(関さん)
2023年3月に大学を卒業するふたり。「事業を継続できるよう、全力で頑張ります」
株式会社StockBase
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横浜市立大学国際総合科学部の関芳実さん、菊原美里さんが在学中の2021年に設立し、企業の廃棄物削減を目的にしたプラットフォーム事業を展開。災害備蓄食の有効活用事業は、現在大手企業を中心に約40社がサービスを活用している。
stockbase.co.jp/