渋谷区に新たな“デジタル観光”が誕生
二次元バーコードが、 観光をスムーズに
- 日本を代表する観光地「SHIBUYA」として、世界に名を馳せる東京都渋谷区。 東京2020オリンピック・パラリンピックを目の前にして、ますます多くの外国人観光客で賑わいを見せている。そうしたインバウンド需要の高まりを受けて、渋谷区が新たに打ち出したのが“デジタル観光”だ。
- 渋谷区はGoogle社から技術提供を受けて、区内各所で二次元バーコードを掲載したポスターやパンフレット、カードを配布する。その二次元バーコードをスマートフォンなどで読み取れば、「Googleマップ」が立ち上がり、各種スポットの紹介とアクセス情報が表示される。英語、中国語、韓国語、日本語のバージョンがあるので、外国人観光客だけでなく、日本人観光客や地元の人も利用可能だ。
- 現在決定している二次元バーコードのカテゴリーは計8種類。寿司屋やSIMカード販売店、夜に遊べるナイトスポット、渋谷の観光名所など、幅広いジャンルがそろっている。
二次元ハ゛ーコート゛を読み取った先のトッフ゜画面。スホ゜ット写真も表示される。 トッフ゜画面から、スホ゜ット位置か゛記されたGoogleマッフ゜へ繋か゛る。
Google Nest Hubで、29言語を通訳
- 二次元バーコードによる観光案内のほか、渋谷区のさまざまな場所に「Google Nest Hub」を設置するプロジェクトも進行中だ。Google Nest Hubとは、Google社が開発したスマートスピーカーとディスプレイが一体となったタブレット。内蔵されたGoogleアシスタントの通訳モード機能により、ディスプレイに向かって話しかければ、音声と画面表示によってリアルタイムで通訳してくれる。世界中の29言語に対応しており、英語や中国語など馴染みのある言語から、スロバキア語やウクライナ語など、日本では比較的、話者の少ないものまで幅広く対応している。2020年1月27日より渋谷駅前の「青ガエル観光案内所」を含めた3 箇所の観光案内所に設置されている。
渋谷区は観光案内所だけではなく、ショップなどへもGoogle Nest Hubを設置することを検討している。
新しい観光案内所も続々登場!
- 2019年11月の「渋谷スクランブルスクエア」のオープンによって、渋谷再開発プロジェクトはいよいよ佳境に入った。長谷部健渋谷区長は、「外国人観光客の増加により、観光案内所に対するニーズも多様化しています。街の変化とともに、観光案内所のアップデートも求められています」と話す。近年のこうした変化に対応するため、新しいタイプの観光案内所も誕生している。2019年12月には「渋谷フクラス」の1階に
「shibuya-san tourist information & art center」がオープン。 Google Nest Hubの利用方法を説明するスタッフ。shibuya-sanにて。 - 成田と羽田からのバスが到着する停留所が目の前にある同施設は、これまでの観光案内所の常識をくつがえす取り組みが行われている。同施設は、あえて対面カウンターのない造りになっており、観光客はスタッフと気軽に交流を楽しむことができる。在籍するスタッフのほとんどが、日本語対応が可能な外国人で構成され、多様な言語で国内外の観光客をもてなしてくれる。従来の観光案内所では行われてこなかったユニークなイベントも企画され、これまでに「ものづくりをテーマとしたトークセッション」や「外国人が参拝の仕方や成り立ちを学べる神社ツアー」などが開催されてきた。さらに、ナイトタイムの観光にも対応するため、深夜23時まで営業。夜間にはアルコールが提供されるため、お酒を片手にさまざまな国から訪れた観光客同士による交流を楽しむことができる。
- また、もうひとつの観光案内所「Wander Compass」(2018年オープン)では、Wi-Fiルーターのレンタルや外貨両替、観光ガイドとのマッチングサービスなど、便利なサービスが提供されている。
- 今後、渋谷区観光協会では、民間企業とも連携して、渋谷のガイドツアーを企画していく予定だ。東京2020オリンピック・パラリンピックがいよいよ目前に迫り、さらなる賑わいを見せるSHIBUYAの街。“デジタル観光”の充実によって、新しいSHIBUYAの魅力に出合うことができるだろう。