GOURMET

2025.03.14
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三島のカフェを巡る①
コーヒーとレコードの温もりが
日常に寄り添う 「SOUND TRACK COFFEE STAND」

コーヒーがふわりと香り、柔らかいレコードの音色が響く。時間の流れが少しだけゆっくりになる、心地よい空間。

映画を彩るサウンドトラックのように、日常に優しく寄り添うカフェ「SOUND TRACK COFFEE STAND(サウンドトラックコーヒースタンド)」の魅力を紹介しよう。
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  • Mei Hiramatsu
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  • Mei Hiramatsu
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日常に寄り添えるコーヒースタンドを目指して

  • 「SOUND TRACK COFFEE STAND」外観
  • 静岡県・三島駅から徒歩3分の路地裏にひっそりと佇むカフェ「SOUND TRACK COFFEE STAND」。「毎日通えるコーヒースタンド」をコンセプトに、静岡県出身の店主、イナギさんがオープンした。
  • 「SOUND TRACK COFFEE STAND」商品
  • レコードの中心にコーヒー豆が描かれたロゴデザインは、“コーヒーと音楽が常にある場所”を意味している。

    なんと、外観や内装、ロゴのデザインも手がけたというイナギさん。目に入るひとつひとつにこだわりがつまっており、その統一感が店内の心地よさを生み出している。
  • 「当店は非日常ではなく、『日常の延長線上』のお店でありたいと思っています。『伴奏音楽』を意味するサウンドトラックを店名に付けたのも、コンセプトと密接な関係があるんです」
  • 「SOUND TRACK COFFEE STAND」内観
  • 「サウンドトラックはなくてもいいものかもしれないのですが、あると作品を盛り立ててくれますよね。その意味合いが、コーヒーとすごく似ていると思って。コーヒーも、好きな人にとってはほっこりするアイテムのひとつです。私の淹れるコーヒーが、飲む方にほんの少し寄り添えるような場になれたらいいなと思っています」

    幼いころから、民宿を経営する両親がコーヒーを振る舞う姿を見て「コーヒー関連の仕事に就きたい」と思っていたイナギさんは、某大手コーヒーチェーン店に就職。

    長年サラリーマンとして働いていたものの、事故に遭ったことが大きなきっかけとなり「やりたいことをやろう」と、兼ねてから夢だったレコードとコーヒースタンドのお店をオープンすることしたのだそう。
  • 「店内でかける音楽も、日常の延長線上としてお客さまの時間を邪魔しない選曲を大事にしています。一方で、レコード好きの友人が、棚からレコードを引っ張ってきて変えることもあれば、50~70代くらいのお客さまが自宅で眠っていたレコードを持ってきてくださることも。僕が初めて聴く音楽に出会うこともありますね」

    聴くと元気になり、ときに気持ちに寄り添ってくれる音楽は、コーヒーとの相性も抜群だと話すイナギさん。

    レコードならではの魅力である「柔らかい音」に耳を傾けると、心も身体もゆるゆると解けていく感覚に包まれる。

サウンドトラックのように、“今の気分”にぴったりな一杯を

  • 「SOUND TRACK COFFEE STAND」で使用されているコーヒー豆は、イナギさんが「世界一の焙煎」だと称賛する、長野県にある「SANGA COFFEE(サンガコーヒー)」のもの。

    友人からのお土産だったコーヒー豆との出会いがきっかけで、実際に焙煎士さんに会うため長野県まで行くようになり、「お店をやる際にはサンガコーヒーの豆でコーヒーを淹れたい」という夢を叶えた。

    「サンガコーヒーの焙煎士さんの腕はあまりにすごいので、一生かけても僕は追いつけないだろうと思っています。焙煎は潔く彼にやってもらって、僕はその豆を世界一おいしく淹れようと思っているんです」
  • Coffeeリスト
    リストから直感的に選べるため、コーヒーに詳しくない方でも気分にぴったりのコーヒーと出会える。
  • 「いらっしゃったお客さまには必ず最初に『今の気分は重め、軽め、スッキリめだとどれですか?』と聞くようにしていて、気分によってこの表からおすすめのコーヒーを提案しています」
  • 「季節のブレンド」写真
    季節ごとに変わる「季節のブレンド」もおすすめ。
  • 「SOUND TRACK COFFEE STAND」では、基本的に酸味がなく苦味を感じられる、中煎りから深煎りの豆のコーヒーをメインに提供している。そのなかで、飲む人がどんなコーヒーを求めているのか、会話によって見つけて提案してくれるのが嬉しい。

    迷ったときにおすすめなのは、オリジナルブレンドの「ステレオ・ブレンド」と「モノラル・ブレンド」。
  • 「SOUND TRACK COFFEE STAND」商品
    左「ステレオ・ブレンド」¥550(税込)/右「モノラル・ブレンド」¥550(税込)
  • 「ステレオブレンド」はスッキリと爽やかな味わいが特徴で、コーヒーが苦手な方にもおすすめしたい一杯。一方「モノラル・ブレンド」は「喫茶店のコーヒー」を目指してブレンドされたそうで、深くコクのある苦味が魅力。

    どちらも飲み始めから飲み終えるまで、酸味を感じずにコーヒーの芳醇な香りとキレのある飲み口が楽しめる。
  • 学割や、店内にペットが同伴できるなど、とにかく温かいサービスに溢れている「SOUND TRACK COFFEE STAND」。

    イナギさんの「コーヒーを難しく捉えず、気軽に楽しんでほしい」という心配りは近隣の人たちの心を掴み、「コーヒーが初めて」だという中学生から、近くで働いているサラリーマン、コーヒーや音楽好きな70代の方まで幅広い客層が訪れるのだそう。
  • コラボアイテムやグッズ展開
    三島のアパレルブランド「SLEEPYY」とコラボしたアイテムなど、日常使いできるグッズの展開も豊富。
  • コーヒーをひと口飲み、柔らかいレコードの音に耳を澄ませる。慌ただしい日常のなかで、肩肘張らず、ふと立ち止まる時間をくれる「SOUND TRACK COFFEE STAND」。

    穏やかな空間に流れる香りと音は、あなたの一日をそっと彩ってくれるだろう。

SOUND TRACK COFFEE STAND

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