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2024.10.01
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TOKYU HOTELS × KOMAGATAKE
「シングルモルト駒ヶ岳 スペシャルエディション五島」その誕生物語と楽しみ方

東急ホテルズオリジナルウイスキー「シングルモルト駒ヶ岳 スペシャルエディション五島」。その誕生物語と、BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel 吉田茂樹ビバレッジディレクターが教えてくれた「五島」の楽しみ方をさらに詳しくお届けしよう。
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  • Akira Uemura
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  • Jin Akaishi
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「シングルモルト駒ヶ岳 スペシャルエディション五島」の誕生

  • 「あのホテルバーで、いいウイスキーを飲んだな、と思い出に残るものをご提供したい」
     東急ホテルズのオリジナルウイスキー「シングルモルト駒ヶ岳 スペシャル エディション五島(以下『五島』)」が生まれた背景は、BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel 吉田茂樹ビバレッジディレクターのこの言葉にこめられている。

    「時の流れ」「個性」「贅沢さとリラックス感」——ウイスキーとホテルには、同じ色の価値がある。長い「時間」をかけて樽の中でじっくりと熟成され、深みと複雑さを増していくウイスキー。長い歴史や伝統に裏打ちされたきめ細やかな心くばりやサービス提供するホテル。蒸溜所の環境や製造過程から「個性」が生まれるウイスキー。シングルモルトやシングルカスクはまさにその象徴で、一杯ごとに異なる物語がある。ホテルも、立地やデザイン、サービスなどにそれぞれに「個性」がある。ラグジュアリーなホテルなどは、唯一無二の空間とサービスを提供し、その体験は忘れがたいものになる。ゆったりとしたひとときに楽しむウイスキー、ラグジュアリーなホテルの非日常的な空間やサービスは「贅沢さとリラックス感」を感じさせる。ウイスキーとホテルは、どちらもその場にいる人々に特別な価値を届ける。だからこそ、東急ホテルズがオリジナルウイスキーを生み出したことは自然な流れだった。
  • マルス駒ヶ岳蒸溜所
    冷涼な空気、清らかな軟水、適度な湿気。ウイスキー造りの理想の地、そのひとつが中央アルプスだ。本坊酒造マルス駒ヶ岳蒸溜所は、日本の風土を活かした本物のウイスキーを造りを目指して1985年に建てられた。
  • 急ホテルズ・オリジナルウイスキー「五島」のベースは、本坊酒造のモルト原酒「駒ヶ岳」。長野県「マルス駒ヶ岳蒸溜所」で生まれた。中央アルプスのこの一帯は、日本の風土を生かしたジャパニーズウイスキー造りの理想の地のひとつだ。標高798m、駒ヶ岳山麓にある美しく緑深い森に囲まれたこの蒸溜所は、澄んだ空気の静寂の中に佇む。冷涼で澄んだ空気、清らかな風、3000m級の山々に降り注いだ雨や雪解け水は、花崗岩土壌を通して濾過され、天然のミネラル分をたたえた良質な軟水になる。そしてこの水で仕込んだウイスキーは、深い霧がもたらす適度な湿度の森の中で、静寂に包まれて「熟成の時」を待つ。
  • 樽
    ほのかな湿気を感じる貯蔵庫で静かに眠っているのは「駒ヶ岳」をはじめとした原酒の数々。バーボンバレルやシェリー樽、ウッドフィニッシュに使うマルスワイナリーワイン樽など、多彩な樽がウイスキーに複雑な風味、琥珀の色合いを与える。
  • 「五島」を生み出すには、クリアしたい点がいくつもあった。老若男女、多様な国籍……ホテルという場で、さまざまなお客様に広く親しんでいただける軽快な味と香り。だがその味わいはしっかりとしていて、やさしい余韻をゆっくりと感じられるもの。キーワードは「クリーン&リッチ」。テイスティング当日は、4種の候補で吟味された。どれもひと樽ごとに異なる個性を備えるシングルカスク。唯一無二、希少性、特別感は、4種とも共通のコンセプトだ。
  • 4種のボトル
  • テイスティング
    テイスティングは4種。(1)エレガントタイプ、(2)シェリー樽の深みのあるタイプ、(3)ピートの効いた香り高いタイプ、(4)華やかな香りで、さまざまなシチュエーションに合わせられるタイプ。そのうちの(4)が選ばれた。
  • イスティングは、東急ホテルズ&リゾーツ村井淳社長、吉田ディレクターほか数名で行われ、最終的にアメリカンホワイトオークの新樽で9年じっくりと熟成させたひと樽が選ばれた。

    「もともとマルス駒ヶ岳シングルモルトウイスキー2023には、紅茶のような華やかな香りも後味にあり、この地の風土を感じられました。その点を大切に感じながら、さまざまなシーンで楽しめるバランスを持った樽を選びました。力強い香りのヘビーピートのバーボンバレルやオロロソシェリー樽なども素晴らしく、どの候補にもそれぞれ際立った個性があって甲乙つけがたく、選定は大変迷いました」(吉田)

    シングルカスク。ひとつの樽で育まれた純粋な味わいを持つ「五島」はこうして誕生した。

食事のパートナーとしても選べるウイスキー

  • Bar_Bellustar
    ホテル45FにあるBar Bellustarは、日常の喧噪から離れた特別な空間だ。地上200mからの煌めく天空とともに「五島」を楽しめる。
  • ロックグラスと氷
    Bar Bellustarのウイスキー・オン・ザ・ロックの氷にはさまざまな楽しい形の用意がある。
    写真は、BELLUSTARの文字が刻まれた樽形。
  • イスキーを楽しむということ。それは忙しい日常からほんのひととき離れ、自分自身と向き合う時間を持つということでもある。シングルモルトの奥深い味わい、唯一無二のシングルカスクの香りは、思いをめぐらせるその「時間」を特別なものに彩る。

    「『五島』は、紅茶を思わせる赤みがかった色で、非常に華やかでボリューム感ある香りです。赤いベリー系のフルーツやドライフィグ、アッサムティーのような繊細なアロマから穀物由来の甘味が口に入れた瞬間から弾けるように広がり、木の香りの余韻が長くつづきます。ストレートでもロックでも素晴らしいです。Bar Bellustarでは、通常のショットグラスのバリエーションはもちろんのこと、江戸切子などさまざまなグラスをご用意しています。氷も樽形やバーのロゴなどその形も数種類あります」(吉田)

    2杯目3杯目。グラスや浮かべる氷の選び方でさらに違った表情を見せてくれる。そのサービスの奥深さと心憎さはホテルならでは、だ。
  • 江戸切子グラス
    「五島」をストレートで飲む際には、バーテンダーがグラスをチョイスしてくれる。もちろん、写真のような江戸切子の美しいグラスを選ぶこともできる。
  • イスキーは、さまざまなシーンに合わせて表情を変え、飲む人のそれぞれの心に寄り添ってくれる。ストレート、ロック、ソーダ割り……飲み方にバリエーションがあり、同じお酒を共有しながらも、楽しみ方を自由に選択できる。舞台はホテル、そしてその傍らに吉田ディレクターのような一流のバーテンダーが加わると、ウイスキーの世界、「五島」の世界はさらなる拡がりを見せていく。

    「ソーダ割もおすすめできます。炭酸の気泡が立ち上がっていって、その気泡が木の香り、ウッディな感じを拾っていきます。ソーダ割は気軽に飲むイメージがありますが、質の高いウイスキーで飲むと大変贅沢になるんです。食中酒にソーダ割はとてもいいですね。お料理はたとえば、トマトソースの酸味や野菜の甘味は幅広く合います。オイルサーディンもいいですね。軽いスモークやスパイスがきいたお肉も相性がよさそうですし、塩でグリルしたシンプルなものにブラックチェリーやイチジクなどの要素が入っているソースを少しだけ添えてあげると、『五島』とお料理双方が、それぞれの魅力を引き立て合います。こうして楽しめるウイスキーはあまり多くないですね。『五島』ならでは、だと思います」(吉田)
  • 吉田ディレクターは「五島」をカクテルで楽しむ提案もする。

    「カクテルですと、オレンジピールをツイストしてグラスに入れるなど、香りの要素を少しだけ液体の表面に加えるのも面白いかもしれません。最初はストレートに近いかたちで飲めて、やがてピールがウイスキーに少しずつ混ざっていって、味と香りの変化を楽しめます。このウイスキー本来の味を楽しむには、フルーツの果実までは入れず、ピールを添えてあげる程度がいいのかな、と思います。『五島』は紅茶のような香りといいましたけれど、レモンやオレンジとの相性はいいですね」
  • バーカウンター

ビバレッジディレクター/バーテンダー 吉田茂樹

  • 吉田 茂樹(Yoshida Shigeki)
    BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel
    Beverage Director

    2012年バーテンダーの祭典「WORLD CLASS 2012 世界大会」スピード チャレンジ部門での部門優勝のほか受賞歴多数。シガーへの造詣も深くシガーコンクール優勝の経歴も。

  • 「五島」に目を細める吉田ディレクターは、バーテンダーの祭典、国際的なコンペティション「ワールドクラス」の世界大会で部門優勝経験を持つ。バーテンディングの技術のみならず独創性、プレゼンテーション力、ゲストとの話術などバーテンダーの総合力が試される大会だ。そんな吉田ディレクターの「ウイスキーとの出会い」は?

    「若い頃、グアムを旅したんです。グアムには海岸沿いにオールインクルーシブのバーがあって、そこに足を踏み入れたとき、さまざまな形のカラフルなボトルが並んでいて、ここには『世界が集まっている』と感じました。そこにバーテンダーが立っていました。あ、この人はこのお酒をすべて飲めて、すべて知っているんだな、これを全部飲める人は社長かバーテンダーのどちらかしかない、と思いました(笑)。旅行帰り、自分のためにお土産に買い求めたのが、三角のボトルのグレンフィディックとバレンタイン15年です。私がウイスキーを初めて手にした瞬間ですね。安い葉巻も買いました。大人になったらやろうと。憧れみたいなところがあったんでしょう」

    この瞬間が吉田ディレクターにとって、ウイスキーへの情熱が生まれた原点といえるのかもしれない。季節はめぐり年月が経ち、いま「五島」にその熱い想いが込められている。ウイスキーは、人生に訪れるささやかな休息や特別な瞬間を彩り、飲む者の心に寄り添う存在だ。「五島」とともに過ごす時間は、永遠の記憶となる。
  • 「シングルモルト駒ヶ岳 スペシャルエディション五島」は、2024年11月1日より販売いたします。BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel、ザ・キャピトルホテル 東急、セルリアンタワー東急ホテルなどでもご提供いたします。1ショット2,900円(サービス料・消費税込)

「シングルモルト駒ヶ岳 スペシャルエディション五島」についてはコチラ

BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel

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