水揚げ直後の白エビが見せる色のはかなさ
- 富山湾の「藍瓶」が生み出すもうひとつの色の宝石は、白エビだ。陽に透けて輝く、はかなげな薄紅色は水揚げ直後にしか見られない貴重な色。時間が経つと、乳白色に変化していく。体長6㎝ほどの小さなエビながら、甘みと旨みがぎゅっと凝縮され、富山では馴染み深い味だ。
水揚げされたばかりの白エビは可憐な薄紅色。水深300m付近に生息するが、生態には謎が多く、漁ができるほど数が穫れるのは、富山湾だけ。
- 明治44年に創業した白エビ料理の名店「磯料理 松月」では、白エビの刺身と唐揚げに加え、200匹もの白エビをすり身団子にして焼いた創作料理「福団子」が味わえる。
200匹もの白エビを使った松月の名物料理「福団子」。竹串に刺し、炭火で焼いた団子を昆布だしでいただく。その大きさに、食べ応えも十分。 - 松月女将の黒田笑子さんは、「一尾ずつ手で殻をむくので、手間はかかりますが、白エビのおいしさを存分に召し上がっていただきたいと、主人が考え出した料理なんです」と微笑む。
- ほんのりと薄紅色が残っているような、優しい乳白色の「福団子」には、富山らしい控えめで温かな心づかいが込められていた。
さっくりとした殻の香ばしさと口のなかに広がる白エビの甘さが楽しめる唐揚げ。
早朝に漁獲された新鮮な白エビの刺身。プリッとした身に凝縮された濃厚な甘みをおろし生姜が引き立てる。
磯料理 松月
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住所:富山県富山市岩瀬港町116
TEL:076-438-1188
営業時間:11:30~21:00 ※要予約
休業日:不定休
アクセス:富山ライトレール「岩瀬浜」下車 徒歩約7分
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