- きらめく東京の灯りを眼下に、天空に浮かぶかのような非日常の空間。Restaurant Bellustarに一歩足を踏み入れた瞬間から、心地よい驚きと歓びに満ちた時間は始まる。
- 「素材で旅するレストラン」がコンセプト。たとえば塩釜に揚がったクロマグロや能登産の魚醤、江戸東京野菜のうどに新宿産の内藤とうがらしといった、日本中から選び抜いた素材の多彩さ、産地や質へのこだわり。
- 味はもちろん香りや食感も考え抜いて、さまざまに技法を凝らした調理の妙。口にすれば、異なる食感が口のなかで弾け、香りが響き合い、味わいは混然一体となって溶け合っていく。フレンチの伝統に根ざしながら素材も技法もジャンルや国を問わず融合させた、モダンフレンチの粋がここにある。
- 素材や生産者を尊重し、食材を余すところなく使用する姿勢は、昨年のホテル開業に先立って研修に赴いたフランスの三ツ星レストランで、それまで以上に再認識したと、竹末宗弘シェフはいう。
- 「もうひとつ強く実感したのが、レストランは空間と料理、サービスが三位一体。料理をつくるだけでなく、すべてに目配りすることがシェフの使命だと感じます」
- その思いはいま、隅々にめぐらされている。サーブする時間を考えて料理には9割火を入れ、食べるときにベストな状態になるようにしっかり熱くした皿で提供する。
「本マグロのマリネ 東京うど 内藤とうがらし」
クロマグロをレモン風味のオリーブオイルと能登産のメギスの魚醤でマリネ。隠し味に内藤とうがらし。奥は15分蒸してドレッシングでマリネした東京うど。うどの端材ピクルスと香草やエディブルフラワーをトッピング。「金目鯛 鱗焼き バジルとイカ墨のソース」
鱗がパリパリになるよう焼き上げた金目鯛・イカスミとバジルのソース。付け合わせはシーアスパラ、ウイキョウのサラダ、揚げたアオサ。奥は金目鯛の切り落としのカルパッチョ、頭やアラを使ったスープ・ド・ポワソン。「和牛 炭火焼き 山菜 バーニャカウダ」
炭火で焼き上げた熟成経産和牛。セリやタラの芽、コゴミ、ウルイ、揚げたセリの根をあしらう。「牛肉の赤身の味わいと山菜の苦味がよく合い、さらにアンチョビのソースがふたつをつなぎます」と竹末シェフ。
- 場と期待を盛り上げる演出も怠らない。たとえばメインの牛肉は切り分ける前にテーブルでお披露目するが、蓋を開けると誰もが「おお」と嘆声をもらす。種明かしはせずにおくので、どうぞご自身で体験を。
- ちなみにこの熟成和牛は炭火で焼き上げており、芯まで火は入っているのに驚くほど柔らかくジューシーで、絶妙の仕上がりだ。
- 三位一体がつくりだす、至福のひととき。
- 「もうこんなに時間が経ったの?とお客さまに驚いていただければ、何よりの幸せです」
- ※写真は、前菜と魚料理・肉料理の一例です。
BELLUSTAR TOKYO 調理 シェフ 竹末宗弘
食に定評のある「セルリアンタワー東急ホテル」で、フランス料理の腕を磨いてきた。素材の持ち味を引き出すことに長け、“素材で旅するレストラン”を標榜。