- 歴史と伝統、そして文化の香りが漂う人気の観光都市である京都。春の息吹を感じる桜、新緑の鮮やかさ、川床で過ごす盛夏、燃えるような紅葉、雪が静かに舞う庭園……年間を通して、季節ごとの美しさで訪れる者の目と心を存分に楽しませてくれる。
- 例年であれば、多くの観光客で賑わう京都だが、人の移動が難しいこのニューノーマルの時代においては、少しだけいつもよりも落ち着いた表情を見せてくれている。
- 首都として1200年もの長きにわたって政治と文化の中心であった京都。いつもの旅では、その風景の美しさや、建築の美、そして街の賑わいに目を奪われがちだ。しかし落ち着いて過ごすことができる今の時期だからこそ、寺院や庭園、歴史的な建築物、そして街の中にある歴史のストーリーに思いを馳せてみたい。京都の街の美しさが、なぜ今この時代においても人を惹きつけているのか。そんなことを考えながら散策してみるのも、素敵ではないだろうか。人が多い市内を避け、日本の原風景や自然が残る郊外へと足を伸ばしてみるのもいいだろう。「いつか訪れてみたい」。そう感じる風景を見つけたら、そこに暮らす人々の営みに思いを馳せてみたい。美しさの背景にあるものを知ろうとすることは、「古くて新しい」京都の発見ヘとつながるはずだ。
天橋立
- 日本三景として知られる白砂青松が見事な、京都北部の名勝。『丹後国風土記』には、イザナギノミコトが天界と下界を結ぶために作ったはしごが、寝ている間に倒れて細い陸地になったものだと記されている。
