- 江戸末期から明治期に建てられた家屋が今も残る、飛騨高山の風情ある町並み。飛騨の匠たちによって建てられたその重厚な佇まいは、日本建築の「用の美」が集約されているようだ。「小京都」の名にふさわしいこの町では、そこかしこで歴史と伝統の息吹が感じられる。
出格子がつらなる高山の古い町並み。良質な水と米に恵まれた酒処であることを杉玉が示している。
橋に飾られた手長・足長は、高山祭の屋台に載せられていたものがモチーフ。
飛騨工の技が光る重要文化財・日下部民藝館。旧城下町の歴史を今に伝えている。
- 旅のスタート地点である高山駅の目の前に、2020年4月にオープンした「東急ステイ飛騨高山 結の湯」もまた、飛騨高山の歴史が培ってきた伝統文化を感じる意匠に満ちている。木目の美しさを生かすために極限まで漆を薄く塗って仕上げる春慶塗や、飛騨刺し子などの伝統工芸がふんだんに使われた館内は、温かみとともに洗練された雰囲気が無理なく調和している。各フロアには地元のデザイナーと伝統工芸の職人も参加して創りあげたギャラリーがあり、またお土産も地元のバイヤーが「本当にいいもの」を厳選するなど、地域と歩調を合わせた場所であることが伝わってくる。駅直結という立地だからこそ、地域の魅力の入り口になってほしいという想いが、このホテルには込められているのだ。
「東急ステイ飛騨高山 結の湯」の各部屋のデザインには、飛騨の伝統の美が活かされている。
鮮やかな飛騨染が飾られた高山市が一望できる最上階のラウンジ。飛騨高山の文化や思想に触れられる書籍・雑誌も置かれている。
縫い目が美しい飛騨刺し子のアートピース。
各階には春慶塗をはじめ、飛騨の伝統工芸をテーマにしたギャラリーが。
ロビーのある吹き抜けの1階は、伝統工芸を取り入れつつもモダンな印象。
- 数分歩けば、飛騨高山の古い町並みや、日本三大美祭に数えられる高山祭の氏神である日枝神社と櫻山八幡宮など多くの歴史的なスポットにたどり着ける。また車で1時間ほど行けば、白川郷や五箇山の合掌造りなど、日本の原風景が広がる世界遺産に出合えるなど、見るもの、訪れる場所には事欠かない。ホテルは長期滞在の宿泊客のために乾燥機付き洗濯機や電子レンジなどを備えていると同時に、旅の疲れを癒す庭園付きの大浴場や、プライベートな空間が叶う貸切露天風呂、飛騨高山の町を一望できる足湯などの施設も充実している。暮らすようなリラックス感と、旅の高揚感が無理なく共存するこのホテル。飛騨高山の魅力を味わい尽くすため、ぜひとも長期のステイをおすすめしたい。
飛騨牛のとろけるような上品な旨みがたまらない夕食のメインは、「朴葉味噌焼き」「ステーキ」「すき焼き」から選べる。
檜造りの足湯は、夜景や日の出も楽しめるスポット。
東急ステイ飛騨高山 結の湯
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住所:岐阜県高山市花里町4丁目301番
TEL:0577-36-1109
料金:スタンダードプラン¥12,500~(1泊朝食付き、2名利用時の1名料金、シーズンによって異なる)
アクセス:JR「高山駅」から徒歩で約2分
www.tokyustay.co.jp/hotel/HTM
※ Webサイトをご確認の上、お出かけください。
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